与信限度額とは、企業が掛取引(後払いの取引)を行う際に、1社ごとに設定する信用取引の上限金額です。未回収リスク(売掛金の貸し倒れ)を抑えるために設けられ、「与信枠」とも呼ばれます。
与信限度額は、一度決めて終わりではなく、取引先の財務状況や取引量の変化に応じて定期的に見直す必要があります。また、限度額の設定では、取引先の信用度だけでなく、自社の資金繰り余力やリスク許容度も考慮する必要があります。そうすることで、万が一取引先が倒産しても、自社が連鎖的な経営危機に陥るリスクを抑えることができます。
与信限度額とは、企業が掛取引(後払いの取引)を行う際に、1社ごとに設定する信用取引の上限金額です。未回収リスク(売掛金の貸し倒れ)を抑えるために設けられ、「与信枠」とも呼ばれます。
与信限度額は、一度決めて終わりではなく、取引先の財務状況や取引量の変化に応じて定期的に見直す必要があります。また、限度額の設定では、取引先の信用度だけでなく、自社の資金繰り余力やリスク許容度も考慮する必要があります。そうすることで、万が一取引先が倒産しても、自社が連鎖的な経営危機に陥るリスクを抑えることができます。
与信限度額の主な目的は、貸し倒れリスクの管理です。支払能力を適切に見極めた上で与信を設定することで、過剰なリスクを取ることなく安全に売上拡大を目指すことが可能です。
また、限度額の設定によって、将来性のある企業への柔軟な対応も可能になります。たとえ現在の決算が芳しくない場合でも、将来の業績改善が見込まれる場合には、リスクを許容した範囲で取引を維持するという選択が可能です。これにより、成長企業との関係性を維持し、将来の取引拡大のチャンスを逃さずに済みます。
指標 |
評価のポイント |
|---|---|
| 自己資本比率 | 20%未満は財務的な不安定さの目安。業種により差あり。 |
| 流動比率(流動資産÷流動負債) | 一般的に120%以上が望ましいが、100%未満は注意が必要。 |
| 利益剰余金の推移 | 黒字が継続し、利益が積み上がっているか。 |
| 営業キャッシュフロー | 実際に現金が回っているか。黒字でもキャッシュがマイナスなら注意。 |
▶最終的に「年間売上高の●%」や「自己資本の●倍」などの算式で限度額を設定することがあります。
※誤解が多い点:
「自己資本比率が20%以下は倒産リスクが高い」と一概に言えません。業種(金融、不動産、ITなど)によって適正水準は異なります。
項目 |
内容 |
|---|---|
| 経営者の誠実さ | 面談時の姿勢や危機時の対応力など |
| 支払い実績 | 過去の延滞、遅延履歴の有無 |
| 業界評判 | 取引先や業界関係者の評価(風評) |
※定性情報は数値化しにくいですが、現場の営業担当や債権管理担当の「肌感覚」が非常に重要です。
与信限度額を設定するための基準を明確にすることが重要です。これには、社内格付け表の作成が含まれます。社内格付け表は、統一された基準に基づいて取引先の信用力を比較評価するための制度です。この表を作成することで、与信取引の基準を社内で統一し、明確にすることができます。正確に与信リスクを判断するためには、規模や社歴だけでなく、支払能力に重点を置いた評価基準を設定することが重要です。
取引先が上場企業か非上場企業かによって、得られる情報の量と質には大きな違いがあります。上場企業は、多くの情報を公開しているため、必要な情報を簡単に入手できます。一方、非上場企業では公開情報が限られているため、情報収集には工夫が必要です。
上場企業の情報収集
上場企業は、法的な要件に基づいて詳細な情報を開示しています。以下の情報を確認することで、企業の全体像を把握できます:
非上場企業の情報収集
非上場企業の場合、公開されている情報が限られているため、情報収集には工夫が必要です。以下の方法を活用して、できるだけ多くの情報を集めます:
インターネットでの情報収集:
直接訪問による内部情報の収集:
商業登記の確認
商業登記の確認も重要な手段です。これにより、企業の基本情報の信頼性を確かめることができます。具体的には以下のポイントに注意します:
商業登記のチェック
直接訪問での情報収集
取引先に直接訪問して得られる情報も非常に重要です。以下の点に注意して観察と対話を通じて情報を収集しましょう。
会社の代表者が頻繁に変わる場合、その背後にリスクが潜んでいる可能性がるので注意が必要です。このように、多角的な視点から情報を収集し、総合的に判断することで、より正確な審査・分析が可能になります。
分析した情報を基に、社内格付け表に当てはめて取引先の信用評価を行います。各社が設定している社内格付け表のリスク評価基準に従い、支払遅延の噂がある場合には定性的な評価を下げ、自己資本比率が高い場合には定量的な評価を上げるなど、詳細な与信審査を行います。これにより、取引先の信用力を客観的に評価することができます。
社内格付け表の評価結果に基づいて、具体的な与信限度額を設定します。与信リスクが高く、社内格付けの評価が低い企業には、回収が遅延した場合の対応策も併せて検討します。このように、与信限度額の設定は慎重に行う必要があります。
与信限度額は一度設定したら終わりではありません。取引金額や内容の変化、社会の動き、取引先の状況、自社の方針変更など、いろいろな要因が影響します。これらの変化に対応するためには、定期的に与信限度額を見直し、調整することが大切です。これにより、会社はリスクを適切に管理し、健全な経済活動を続けることができます。
与信限度額を設定する際、まず重要なのは取引先を格付けし、それに基づいてルールを明確にすることです。この格付けは、取引先の倒産確率や財務状況を基に行います。例えば、以下のような基準を設けるのが一般的です。
※倒産確率は一例であり、各企業や信用調査機関のデータを基に調整が必要です。
与信限度額の設定には、自社のビジネス環境に適した明確な基準の策定と継続的な管理が不可欠です。現行の設定に不備がないか、基準が適切であるか、また社内リソースが過剰に負担を受けていないかを再評価することが重要です。さらに、ツール導入による効率化や効果についても考慮しましょう。ツールを活用することで、データの一元管理や分析が容易になり、より迅速かつ正確な判断が可能となります。これにより、リスク管理の強化や業務プロセスの改善が期待できます。
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