2023年の「新型コロナウイルス」関連倒産から身を守る与信管理

日本の経済政策の一環として新型コロナウイルスの影響を受けた企業への対策融資制度は、政府が行った経済政策の一環として、多くの企業に支援を提供してきました。しかし、実質無利子・無担保融資「ゼロゼロ融資」の最長3年の返済猶予も終了し、この制度によって借り入れた資金の返済が開始されます。それらによって資金繰りが苦しくなる企業が増加することが見込まれています。

低金利での借り換えを可能とする融資制度なども受け皿として整備されているものの、与信審査を通過する必要がある事に加えて、円安、さらには物価高が直撃していることにより、難しい経営環境はいまだ継続しています。特に2023年5月からの返済開始を経て、6月から7月には返済が本格化することが見込まれ、それに窮する『ゾンビ企業』の問題が浮き彫りになることが懸念されています。

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ゾンビ企業について

ゾンビ企業とは、ビジネスモデルに課題を抱えているにもかかわらず、先の融資制度の効果などにより、倒産を免れて存続している企業のことを指します。返済開始とともに資金繰りが悪化した場合、従業員や仕入先に支払を行うことができず、経済活動を阻害する要因と成り得るといわれています。

企業が倒産することは、その企業に関わる多くの人々にとって大きな打撃となります。期日に支払いができないことが現実となったときには、取引先に損害が生じます。また、倒産企業の影響が周囲の企業に連鎖した場合、従業員の雇用が失われ、地域経済や全体経済にも悪影響を与えます。

また今後、貸出側がゾンビ企業に対して与信管理が不十分な状態で更なる借り換えを承認した場合は、潜在的な不安要素が残り続けることになります。

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ゼロゼロ融資

一方、「ゼロゼロ融資」のような特別なつなぎ資金による運転資金の救済を得られたということは、従業員の雇用が守られ、消費活動を促し、サプライヤーや顧客との取引が継続保持できたことになります。そのことにより、多くの企業が今後の機会を得られたことで、経済全体を守ったともいえます。

「ゼロゼロ融資」は新型コロナの影響で業績が悪化し、金融機関から融資を受けにくくなった事業者に対し、収益力が回復するまでの資本増強を目的とした制度です。この制度は経済問題に対する効果を見込んだ緊急措置と言えるでしょう。また、このような救済措置は、倒産による人々の生活の破綻や人命が失われるという社会問題を防ぐ一助になったともいえるでしょう。

企業とは経済活動の基盤となる存在であり、その成長や発展が地域経済や全体経済にとって重要な役割を果たしています。経済全体の活性化のためには、多くの企業による取引の継続や、相互成長の促進が重要です。

一方、健全な企業が資金の回収難に巻き込まれる可能性を低くするためには、リスク管理体制の構築が不可欠であると言えます。これにより、適切な範囲内で取引を継続しながら、自社の財務基盤を守れる可能性が高まります。特に、近年は市場動向の変動が激しく、また2023年5月からは「ゼロゼロ融資」の返済が開始されることが加わるため、「与信管理」と呼ばれるリスクマネジメントにより、的確な状況把握がますます重要となるでしょう。

 

それでは、「新型コロナウイルス」関連倒産の影響によるリスクにはどのような対策を行えばよいのでしょうか。

1. 取引先の情報を定期的に監視・確認する

取引先の直近の決算書を入手し、収益性や資金繰り、レバレッジの状況等を確認する事により、「ゾンビ企業」に該当するようなビジネスモデル上の課題がないか、推察する事ができます。他方、決算書はあくまで過去の一時点の情報であり、決算書が作成されてから今日までの間に、企業の実態は変化しています。定量面だけではなく、業界内でのうわさ情報や信用調査会社に寄せられるような支払遅延に関連する情報など、広く情報収集のアンテナを広げる必要があります。収集された情報の重要性に応じて、場合によっては出荷を止めるなどの措置をとり、売掛金残高を適正に管理する事が求められます。

 

2.分散した取引先を構築する

取引先を分散することで、1社あたりの売上高依存率を低減させ、焦げ付き金額が致命傷にならないようにリスクを分散させることが重要です。これにより、1つの企業が倒産しても、全体の取引に与える影響が軽減されます。

少なくともこれらの2つのポイントに留意することで、ゾンビ企業の倒産による影響リスクを抑えることができます。

またさらクレディセイフを活用した具体的に、適切な与信管理を補完する方法をさらにいくつかご紹介します。

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クレディセイフの活用

1.クレディセイフの企業信用データを活用

信用調査会社が持つ企業信用情報の収集を行うことで、業務を効率化できます。例えば企業の財務状況や、行政処分などのマイナス情報を収集し、それらを与信判断の材料とすることができます。依頼することで自社で調べるべきことが減り、担当者の業務負担が軽くなります。また、担当者は与信判断に集中することができ、よりスピーディな意思決定が可能となります。

 

2.与信リスク管理の効率化によるリスク強化

クレディセイフの『Check&Decide』を活用することで、与信判断の意思決定の時間を更に短縮することができます。この自動ツールは、取引先企業への与信可否を数秒で算出します。具体的には、インターナショナルスコア、国内クレディセイフスコア、社内スコアと比較することができます。また、適切なサイト期間や担保条件、与信限度額の付帯取引条件などの値も算出されます。この『Check&Decide』は、「海外企業、国内企業」や「新規取引企業、既存取引企業」に分類したアルゴリズムのカスタマイズを可能としています。これらを使用することにより、リスクを早期に発見し、適切な対応を行うことができます。また、与信リスクの再評価が容易になることで、定期的なリスク管理の頻度向上を可能とし、与信リスク管理の強化が図られるでしょう。

 

3.取引先分散の最適化

また、クレディセイフのデータを参考にすることで、自社で取引先のオリジナルポートフォリオの最適化を図ることも可能です。たとえば、業種や地域に応じた与信リスクの評価・分散を行い、適切な取引先のポートフォリオを社内で構築することも考えられるでしょう。また、データを活用して、取引先のポートフォリオ内で与信リスクの均等化を図ることもできます。

 

4.信用データの入手の効率化による優位性

近年のコロナ禍や、ウクライナ問題などをはじめとした地政学的リスクの顕在化、災害、加速するインフレなど、市場動向は激しく、リスク回避のため、スピーディな与信判断が求められています。

クレディセイフを活用することで、登録した企業に信用スコアなどの変化あった場合、最新の情報がアラートとして通知されます。また、スマートフォンなどの様々なデバイスから、その場でデータにアクセスできます。差し迫った社内の共有や、判断スピード向上によりリスク管理強化を図ることができます。

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まとめ

適切に与信管理を行うためには、自社判断による与信管理だけではなく、専門の与信管理サービスを併用することが重要です。与信管理を総合的に強化することによって2023年の「新型コロナウイルス」関連倒産に巻き込まれるリスクを最小限に抑えることができるでしょう。