#4 営業担当者だからこそ気づく経営悪化の兆候

営業担当者のための与信管理

※提供は法人のみ

チェックシートを参考に取引先を観察しよう

 

企業の経営状態の悪化は、突然発生するものではなく、何らかの兆候が見られます。

この兆候を見つけるには、営業担当者の視点を活用することが基本です。
得意先に最も接しているのは営業担当者です。

明確な変化だけではなく、定期的に接しているからこそ感覚的に分かる微妙な変化をキャッチすることができます。
営業担当者は、多面的な観点から対象の企業を観察する必要があります。下記、チェックシートを参考にして、観察力を高めてみてください。

【営業担当者向け与信管理チェックシート】

経営面

□商号の変更

□組織の大幅変更

□人員削減

□代表者の突然の交代

□役員の大幅変更

□株主構成の変化・系列関係の変化

□本店・事務所・工場の移転・売却

□設備の急速な拡張・縮小

□合併・営業譲渡

□公職、政治、宗教、相場への深入り

□反社会的勢力との付き合い

□内紛の発生

□減資

営業面

□主要商品の販売不振

□市況の悪化

□主要仕入先の変更

□主要販売先の変更

□大口販売先・顧客の仕入先の変更(輸入品への切替・移転)

□大量の返品・クレーム・欠陥商品の発生

□商品のダンピング販売

□大口販売先・顧客の経営不振、倒産

取引実績

□売上高の急増減(取引先実績とのアンバランス)

□請求・入金の不一致

□請求残高の急増

□担保解約・保証金取崩しの要求

支払実績

□手形支払銀行の変更

□支払日の変更

□(根)抵当権の順位変更依頼

□担当者または経理担当者の不在

□他債権者の不審な動き

□支払条件変更の申し出

□支払猶予・手形ジャンプの依頼

生産在庫

□在庫の急増減

□在庫管理の乱れ

□機械・設備の保守・整備不良

□返品の急増

金融

□取引金融機関の頻繁な変更(例 都銀→地銀→信金)

□中小金融機関の多数併用

□不動産への新規担保設定

□主要取引銀行の支援悪化(または取引停止)

□融通手形の発行

□不渡り発生

□債権譲渡登記

従業員

□定着率低下

□勤務態度、モラルの低下

□経理担当者役職者が不在がち、あるいは退職

□優秀な営業パーソン、技術者、その他フタッフの退職

その他

□資産の売却

□同業者の風評悪化

□銀行・信用調査会社の評価低下

□環境問題、公害訴訟、PL訴訟の発生

□消費者運動の発生

□特許抵触問題の発生

与信管理は、得意先の資金繰りが厳しくなり倒産に至る可能性が生まれていないかを確認し、売掛債権を確保するための業務です。

健全な経営を下支えするうえで、重要な意味を持っているのです。

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変化の早い昨今では、営業担当者が取引先を見極める目を持つことが、貸し倒れを防ぐ最も有効な対策といえます。

そこで、営業担当者に必要な与信管理の視点を体系的にまとめました。ご自身の与信管理に対する理解確認や、研修教材としてご活用ください。

 

目次

  • はじめに-なぜ与信管理を行う必要がある?
  • 与信管理を行わないとどうなる?
  • 営業担当だからこそ気付ける経営悪化の兆候
  • 新規・既存によって変わる与信管理の流れ
  • まとめ-与信管理の効果

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