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フランス進出で知っておきたい商習慣・経済情報

エッフェル塔や凱旋門、ルーブル美術館など観光資源の豊富なフランスは、外国人旅行者数ランキングで不動の1位を誇り、2017年には自国の人口を超える8,692万人の旅行者がフランスを訪れています(2017年の訪日外国人旅行者数は2,869万人で、日本の約3倍)。

芸術の都として名高い首都パリを中心に年間を通してあらゆるジャンルの国際見本市が開催され、特に「パリコレ」や「カンヌ映画祭」は日本のメディアにも大きく取り上げられることがあり、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

フランスを訪れる旅行者の実に4割がこういった見本市への訪問を目的としたビジネス出張者といわれており、最先端のトレンドや一流の商品を求めるバイヤーが世界中から集まります。

そのようなフランスへ進出したい、フランス企業と取引をしている方向けに、経済に特化した情報を共有いたします。

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Chapter 1

基礎から学ぶフランスの経済情報

フランスの基礎情報

  • 公用語:フランス語
  • 首都:パリ(人口222万人、2014年)
  • 人口:6,719万人(2018年)
  • 国土面積:約63.3万km²(日本の約1.7倍) ※海外領土を除くと 約55.2万km²(全国土面積のうち、国外領土は約13%)
  • GDP(名目):2兆5,836億 USドル(日本は4兆8,721億 USドル)
  • 1人あたりGDP(名目) :3万9,689 USドル(日本は3万8,440 USドル)
  • 通貨:ユーロ (€) (EUR)
  • 宗教:カトリック、イスラム教、プロテスタント、ユダヤ教
  • レポート保有件数:2,000万件
  • 主要産業:化学、機械。食品、繊維、航空、原子力等
  • 祝日:11日
  • 民族:フランス人(ケルト人、ラテン人およびチュートン人の混血)、少数民族(バスク人など)、移民

 

フランスという国家を語るのに、移民の存在は切っても切り離せません。フランスは移民の占める割合の高い国の一つで、全人口の一割を移民が占めています。

かつて、労働力確保のためにスペイン、ポルトガル、北アフリカ諸国(リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコ等)から大量に移民を受け入れましたが、第一次オイルショックを契機に、受け入れを停止。

景気の後退とともに移民の働く場所が失われていき、2011年の政府の調査では、移民の失業率は16.1%と非移民の二倍の水準となり、特に北アフリカ諸国出身者の失業率は20%を超える結果でした。

そうした職のない移民への社会保障に多額の税金が使われていることへの反移民感情の高まり、移民による犯罪率の高さ・治安の悪化は、現在でも大きな問題になっています。

経済に目を向けると、多国籍企業の本社やユネスコなどの国際機関の拠点が数多く集まっており、ドイツやイギリスに並ぶ先進国としての存在感を見せています。

一方で、平坦な地形を活かした農業も盛んで、小麦や大麦、とうもろこし、てんさい(砂糖)などを主に栽培しています。

食料自給率は120%を超えており(世界第4位)、その穀物生産量の高さから「ヨーロッパのパン籠」とも呼ばれています。

貿易においては、輸入・輸出ともに隣国ドイツとの取引額が一番大きく、輸出ではドイツに次いで、アメリカやイギリス、スペイン等の近隣の西欧諸国が上位に位置しています。
輸入では中国が2位となっており、トップ10にも入っていない日本と比較して、ヨーロッパにおける中国の存在感が際立っています。

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財布の紐が固いフランス人

EU加盟国の中でドイツの次に経済規模が大きく、1人あたりのGDPでは日本を凌ぐフランスですが、高所得世帯と低所得世帯の間にはれっきとした格差が存在しています。

そのため庶民の多くは価格に非常に敏感で、堅実な消費性向を持っているとされています。

また、フランス国民には古いものを大切にするという考えが根付いており、伝統や職人技術に対して一定の理解があります。

保守的で流行に流されにくい気質を持つ国民性ですが、商品の背景や作り手の想いをじっくりと伝えることで息の長いファンになってもらえるかもしれません。

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フランス企業の財務は比較的入手しやすい

一部の企業形態を除き、決算書開示義務があるため決算書の入手率は比較的高くなっています。

決算は12月期の企業が多く、決算期から約10ヶ月後~12月後に決算書が入手可能になります。

クレディセイフでは、産業財産庁(INPI)や民事・商事公告公報(BODACC)を初めとした様々な公的機関から情報を入手し、オンラインレポートを毎日更新しています。

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フランス企業の売上高トップ10

売上高トップのAXAは、世界最大級の保険会社で、日本ではアクサ生命保険やアクサ損害保険といったブランドで知られています。

また、10位のルノーは、日産自動車を傘下に収めており、社長のカルロスゴーン氏は日産自動車をV字回復させた立役者として有名です。

最近では、相次ぐ不祥事により業績が低迷していた三菱自動車の筆頭株主になり、同社の会長に就任しました。

今後どのような改革を行い、信頼を回復させていくのか。ゴーン氏の経営手腕に注目が集まっています。

※2018/9/27時点、売上高は百万ドル、日本円は110円換算

10. Renault

売上高:7兆2,872億円

  • CEO:ティエリー・ボロレ
  • セクター:自動車・部品
  • 業種:自動車・部品
  • 本社:ブローニュビヤンクール
  • http://www.groupe.renault.com
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:181,344名

9. Societe Generale

売上高:7兆6,943億円

  • CEO:フレデリック・オウデア
  • セクター:金融
  • 業種:金融
  • 本社:パリ
  • http://www.societegenerale.com
  • Global500掲載数:22
  • 従業員数:153,168名

8. Peugeot

売上高:8兆857億円

  • CEO:カルロス・タバレス
  • セクター:自動車・部品
  • 業種:自動車・部品
  • 本社:リュエイユ-マルメゾン
  • http://www.groupe-psa.com/fr/
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:177,757名

7. Engie

売上高:8兆2,810億円

  • CEO:イザベル・コッチャー
  • セクター:エネルギー
  • 業種:エネルギー
  • 本社:クルブヴォア
  • http://www.engie.com
  • Global500掲載数:23
  • 従業員数:155,128名

6. Electricite de France

売上高:8兆6,341億円

  • CEO:ジャン=ベルナール・レヴィ
  • セクター:エネルギー
  • 業種:ユーティリティ
  • 本社:パリ
  • http://www.edf.fr
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:151,073名

5. Credit Agricole

売上高:9兆2644億円

  • CEO:フィリップ・ブラサック
  • セクター:金融
  • 業種:金融
  • 本社:パリ
  • http://www.credit-agricole.com
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:73,707名

4. Carrefour

売上高:10兆404億円

  • CEO:アレクサンドル・ボンパール
  • セクター:食料品店
  • 業種:食料品店
  • 本社:ブローニュビヤンクール
  • http://www.carrefour.com
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:378,923名

3. BNP Paribas

売上高:12兆9,113億円

  • CEO:ジャン=ローラン・ボナフェ
  • セクター:金融
  • 業種:金融
  • 本社:パリ
  • http://www.bnpparibas.com
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:189,509名

2. Total

売上高:16兆4,010億円

  • CEO:パトリック・プヤンネ
  • セクター:エネルギー
  • 業種:石油精製
  • 本社:クルブヴォア
  • http://www.total.com
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:98,277名

1. AXA

売上高:16兆4,410億円

  • CEO:トーマス・ブーベル
  • セクター:財務
  • 業種:保険
  • 本社:パリ
  • http://www.axa.com
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:95,728名
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