企業取引のリスク管理が重視される現在、「UBO(実質的支配者)」を正しく把握することは国内外で重要な要素となっています。
UBOは企業の最終的な支配・利益享受を行う自然人を指し、マネーロンダリング対策やコンプライアンス対応において欠かせない概念です。
日本では犯罪収益移転防止法の改正、海外ではEUのAML指令など、企業がUBO確認を行う場面は年々増えています。この記事では、UBOの定義、重要性、法規制の動き、そして企業が実務で押さえるべきUBOチェック方法を詳しく解説します。
企業取引のリスク管理が重視される現在、「UBO(実質的支配者)」を正しく把握することは国内外で重要な要素となっています。
UBOは企業の最終的な支配・利益享受を行う自然人を指し、マネーロンダリング対策やコンプライアンス対応において欠かせない概念です。
日本では犯罪収益移転防止法の改正、海外ではEUのAML指令など、企業がUBO確認を行う場面は年々増えています。この記事では、UBOの定義、重要性、法規制の動き、そして企業が実務で押さえるべきUBOチェック方法を詳しく解説します。
UBO(Ultimate Beneficial Owner)とは、企業を実質的に支配する自然人を指します。
一般的な判断基準としては、以下のような人物がUBOに該当すると考えられています。
議決権の一定割合(例:25%超)を保有する者
経営や意思決定に対して支配的な影響力を持つ者
企業の最終的な利益を受け取る立場にある者
日本では「犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)」に基づき、金融機関などの特定事業者が法人取引を行う際に、実質的支配者に関する確認が求められるケースがあります。
EUでもAML指令(第4次、第5次マネーロンダリング対策指令)が施行され、加盟国にUBOの透明性強化が求められています。
企業の所有構造は複雑化しやすく、表面的な情報だけでは実質的な支配者を把握できないケースがあります。この特徴を悪用して、フロント企業などを利用した資金隠しや不正行為が国内外で問題となっています。
取引先のUBOが不明確な場合、
反社会的勢力との関与リスク
マネーロンダリングへの無自覚な関与
法務・コンプライアンス上の重大なリスク
といった問題が発生する可能性があります。
そのため企業は、KYC(Know Your Customer)やAML(Anti-Money Laundering)プロセスの一環として、UBO特定・UBO確認を実施することが重要だと考えられています。
UBOを特定する際には、以下の情報を総合的に確認します。
企業の所有構造・株主構成
子会社・関連会社などグループ全体の関係性
制裁リストとの照合
姉妹会社など、最終所有者を共有する企業
名義上の所有者と実質的所有権の違い
信頼できるニュース・メディア報道
これらの情報を分析し、企業を「最終的に支配している人物」を明確にすることが、UBO確認の中心となります。
UBO確認を行う際には、以下のステップを踏むことが一般的です。
法人の基本情報や株主情報の収集
グループ企業・関連会社の構造把握
個人情報(役員、株主)の確認
PEP・制裁リストとの照会
メディアチェック
記録保存(証跡管理)
特に「UBOが見つからない」「UBO情報が不足している」というケースも多いため、第三者データベースを活用した裏付けが効果的です。
クレディセイフのKYCプロテクト(コンプライアンスチェック)では、ID検証、PEP&制裁チェック、AMLチェックを一括で実行し、実際のメディア情報から問題の会社に関するニュースや記事を提供すると共に、UBOを識別するプロセスを合理化できます。
欧州トップクラスのデータベースプロバイダーの情報と照合し、複数の法律や規則に対する適切なスクリーニングを行うことにより、手動時間を削減、人的エラーも削減することができます。
サービスはオンライン上で完結することができ、UBO情報がなかった場合にも検索結果をキャプチャ(印刷)、保管することでUBOチェックをしたという証拠にもなります。
クレディセイフでは、与信管理から企業のモニタリング・コンプライアンスチェック・マーケティングリスト作成まで、これ1つで可能です。
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