Vol.7 海外取引の代表的な支払条件~Advance PaymentとL/C~

海外取引のはじめかたと知っておくべきリスク管理

海外企業との取引前に知っておきたい実務とノウハウ

※PDFの提供は法人限定

Vol.7 海外取引の代表的な支払条件~Advance PaymentとL/C~

リスクの低い二つの支払条件

海外取引の代表的な支払条件は以下6種類があり、この並び順に債権回収のリスクが高くなる(前払いが最も低リスク)。

  • Advance Payment(前払い)
  • Confirmed L/C(確認信用状)
  • L/C(信用状)
  • D/P(支払渡し/支払時書類渡し)
  • D/A(引受渡し/引受時書類渡し)
  • Open Account(オープンアカウント)

海外の代表的な支払条件

取引の分類 支払条件(英文) 支払条件(訳)
送金取引、小切手 Advance Payment 前払い
信用状付荷為替手形取引 Confirmed L/C 確認信用状
L/C 信用状
信用状なし荷為替手形取引 D/P 支払時書類渡し
D/A 引受時書類渡し
送金取引、小切手 Open Account オープンアカウント

Advance Payment(前払い)

Advance Payment は、海外取引において最も確実な代金回収方法である。Cash in Advance ともいう 。通常は送金取引であることが多い。

この支払条件を採用している限り、代金回収のリスクはゼロである。

 

ただし、輸出者にとってリスクがないということは、バイヤーがすべてのリスクを負担するということである。

代金を前払いしたが、商品が届かない、商品の品質が悪い、数最・色が注文と異なるなど、あらゆるリスクを負わなくてはならない

ゆえに、前払いはバイヤーから敬遠される支払条件だ。いわば、売り手優位の取引方法である。

 

L/C(信用状)

日本企業の貿易において最も一般的な支払条件が 、L/C = Letter of Credit (信用状)である。

貿易は、L/ Cで行うものと一般的に考えられている。また、海外取引の信用リスクの観点からも、L/Cでの決済はリスクフリーと同義語に語られることが多い。

L/Cとは、銀行が発行する支払いの保証書のことである。正確にいうと、「信用状付の荷為替手形取引」ということになる。

つまり、海外取引の代金支払いを銀行がバイヤーの代わりに保証するものである。


通常、L/Cは輸入地にあるバイヤー側の銀行が発行するが 、何らかの理由でバイヤーが倒産すれば、L/Cを発行した銀行が代わりに輸出者に対して支払いを行なう。

 

L/C導入の流れ

手続きは、まずバイヤーが、取引銀行に L/Cの開設を依頼する。

バイヤーの依頼を受けた取引銀行は、取引金額に相当する保証金をバイヤーに預託させる。

その保証金を担保に銀行が取引代金の支払いを輸出者に保証する。

世界的に信頼性のある銀行が支払いを保証すれば、輸出者は安心して取引できるわけだ。

 

L/Cには開設銀行、通知銀行、バイヤー、輸出者すべての同意がなければL/Cの修正や取消しができない Irrevocable L/C (取消不能信用状) と、バイヤーが一方的に取消しできるRevocable L/C (取消可能信用状)がある。

通常、L/Cといえば、取消しができない Irrevocable L/Cを指す。

 

※出典:「海外取引の与信管理と債権回収の実務」(牧野和彦著、日本実業出版社刊)

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ぜひ貴社の海外取引にお役立てください。

 

目次(一部抜粋)

  • 海外取引の代表的な支払条件~Advance PaymentとL/C~
  • 契約時にできるリスク管理(契約書のサンプルあり)
  • 海外取引に利用できる二つの保険とは~貿易保険~
  • 海外では一般的。コレクション・エージェンシーとは
  • 機密性の高い情報が手に入るトレード・レファレンス