沈黙は電話での督促において重要
電話の督促で大切なのは、沈黙である。これを欧米ではStrategic Pauseと呼ぶ。
交渉事には共通していることだが、相手に多く話をさせることがポイントとなる。
回収でいえば、相手が多く話すほど、こちらは言い訳の矛盾を見抜くことが容易になる。
相手が黙っているからといって、決してこちらから話を開始してはいけない。人間というのは沈黙の気まずさに耐えられないという性質を持つ。
その沈黙を埋めようと、必死で話し始めるものだ。
相手が話を始めたら、相手の話を良く聴いてとにかくCommitment(約束)を取り付けることだ。
約束の内容で最も重要なことは必ず期限を設定することだ。これについては前回述べたとおりである。
もう一つ大切なのが、相手から言わせることである。
人間は自分で言いだした約束は守ろうとする傾向がある。従って、相手に具体的な日時や金額を言わせるよう仕向けることも大切だ。
中々自分で言い出さない相手に対して、具体的な約束を言わせるコツは、無理な期日や金額の要請をこちらからすることである。
We cannot pay in full.(全額は無理)We cannot pay today.(今日は無理) と言われたら、
すかさずに、Then how much can you pay?(いくらなら?)Then when can you pay?(いつなら?)と切りかえす。
相手は返事をせざるを得なくなる。